本所七不思議と本所七不思議之内の違いについて解説

本所七不思議と本所七不思議之内は、どちらも江戸時代に語り継がれた怪談や民間伝承に関わるものですが、その内容や形式には違いがあります。この記事では、これら二つの名称が指し示すものの違いについて詳しく解説します。

本所七不思議とは？

本所七不思議は、江戸時代に東京・本所地区（現在の墨田区）で語り継がれた七つの怪談を指します。これらは口伝えで広まり、地域の住民の間で信じられた恐ろしい出来事や神秘的な現象が描かれています。実際の場所や事件を元にしたものも多く、怪談として語り継がれたものです。

本所七不思議之内とは？

一方、「本所七不思議之内」とは、江戸時代の浮世絵師・鳥山石燕（とりやませきえん）によって描かれた「本所七不思議」に関する浮世絵のシリーズを指します。これらは、口伝えの怪談を視覚的に表現したもので、文字通り「七不思議」の物語を絵画としてまとめたものです。

本所七不思議と本所七不思議之内の違い

「本所七不思議」と「本所七不思議之内」の違いは、言うなれば「伝承」と「視覚化」にあります。本所七不思議は、直接的な怪談として語られる物語であり、口頭で伝わってきたものです。それに対して、本所七不思議之内は、鳥山石燕がそれらの怪談を浮世絵として具象化したもので、物語の視覚的な表現として後の世代に伝えられています。

浮世絵の影響とその重要性

本所七不思議之内は、浮世絵として表現されることにより、江戸時代の怪談文化や美術との深い関わりを持っています。これらの浮世絵は単なる絵画作品にとどまらず、当時の民間信仰や恐怖心、さらには当時の社会状況を反映した貴重な文化遺産となっています。

まとめ

本所七不思議と本所七不思議之内は、怪談の伝承とその視覚的表現という異なる側面を持っています。どちらも江戸時代の文化を知るうえで重要な意味を持ち、今もなお多くの人々に語り継がれています。怪談が浮世絵として表現されたことで、より多くの人々にその恐怖感や神秘性が伝わるようになったのです。