第六天社とは？歴史・信仰・代表的な神社を徹底解説

「第六天社」とは、関東地方を中心に存在する神社で、主に第六天魔王を祀っていたが、明治時代の神仏分離により多くが改称され、現在では少数派となっています。今回はその歴史や信仰の背景、代表的な神社について詳しくご紹介します。

第六天社の歴史と変遷

第六天社は、もともと仏教の守護神である第六天魔王を祀る神社として創建されました。第六天魔王は、仏教における欲界天の一つで、欲望を司る存在とされています。日本では、仏教の影響を受けて、これを神格化し、神社として祀るようになりました。

しかし、明治時代に神仏分離政策が実施され、多くの第六天社はその社号を変更し、祭神も他の神々に改められました。例えば、東京都台東区の「第六天榊神社」は、祭神を面足尊・惶根尊に改め、社号も「榊神社」と改称されました。

第六天社は、地域の守護神として信仰されてきました。特に、疫病除けや盗賊除け、火難除けなどの御利益があるとされ、地域住民の生活に密接に関わっていました。例えば、埼玉県さいたま市岩槻区の「武蔵第六天神社」は、天明の大飢饉の際に創建され、疫病除けの神として信仰されています。

また、第六天社は、地域の祭りや行事にも深く関わっており、地域コミュニティの中心的な存在となっていました。これらの神社は、地域の歴史や文化を伝える重要な役割を果たしてきました。

以下に、代表的な第六天社をいくつかご紹介します。

第六天榊神社（東京都台東区）
旧社号を「第六天神社」とし、面足尊・惶根尊を祭神としています。例祭は6月の第1土・日曜日に行われ、地域の人々に親しまれています。
武蔵第六天神社（埼玉県さいたま市岩槻区）
天明2年（1782年）に創建され、疫病除けの神として信仰されています。大天狗と烏天狗が御眷属とされ、天狗の絵馬が特徴的です。
第六天社（神奈川県平塚市）
阿夜訶志古泥神と於母陀流神を祭神とし、神明神社の末社として位置づけられています。